防犯カメラを設置する前に!法律や補助金のことを知っておこう!
防犯カメラを設置する前に、法律や補助金のことを知っておこう
この記事を読むための時間:5分
近年、店舗・商店街・会社などで防犯カメラを設置しているところが増えてきています。世の中が物騒になってきていることもあり、今から防犯カメラの設置を検討している方もいるのではないでしょうか。しかし一方で「防犯カメラを勝手に設置すると、法律に違反するのではないか」と不安をもってしまうこともありますよね。
今回は、実際に防犯カメラを設置したことで法律違反になったケースはあるのか、そして違反にならないようにするための2つのポイントを紹介していきます。加えてあまり知られていない、防犯カメラの補助金についても解説していきます。
目次
防犯カメラの設置が法律に違反するケースもある
防犯カメラを設置したことで周囲から指摘を受け、法律違反になった事例がいくつかあります。法律に違反しなくても、周囲から訴えられ苦情がくることもあります。中には駐車場に防犯カメラを勝手に設置したり、誰からの許可もなく公道や私道を映したりしていて、問題になった事例もあるのです。
これらに共通しているのは、防犯カメラを設置する前に撮影する旨を周囲に公表しておらず、またカメラに他人の私生活が一部映っていたことなどが問題になったからです。ある判決では損害賠償を支払うように命じられ、防犯カメラの撤去を求められているケースもありました。たとえ防犯カメラを設置した理由が盗撮するためではないとしても、周囲から指摘され裁判沙汰になることは、意外にあり得る話なのです。
法律違反しないようにするには?
法律違反を避けるには、自ら進んで行動すべきことが主に2つあります。「これで必ず法律違反にはならない!」とは言い切れませんが、どちらも重要な事柄です。下に詳細を書きましたので、紹介していきます。
周囲から防犯カメラ設置に対する理解を得る
法律に違反しないように防犯カメラを設置するには、撮影する目的をしっかりと決めて、周囲の方から理解を得ることが必要になります。目的を決める理由は、目的とズレた行動をとらないようにするためです。
例えば「自宅に侵入者を入れないため」と周囲に伝えて防犯カメラを設置したはずなのに、隣の家の室内が撮影されていたら。防犯するためと言っていたのに、第三者にカメラの映像を見せたり知らせたりしたら。防犯カメラを設置したと周囲に伝えず勝手に撮影を始めるなど、これは誰の目から見てもおかしいと感じる行動だといえます。このように目的とズレた行動をとれば、いずれ法律違反として訴えられてもおかしくないことなのです。そのため防犯カメラを設置する際は、まず目的を決めてから周囲の人にきちんと公表することが大事になってきます。
防犯カメラの設置したい理由を話し、どの場所を撮影するのかを事細やかに説明し、プライバシーの侵害になるようなことはしない。これらを説明し、まずは周囲の方から理解を得ます。他人の私生活をカメラを通して覗き見るのはもちろんのこと、更衣室・トイレの中・お風呂場などの撮影を目的にすることは、たとえ防犯のためだとしてもNGです。第三者に知られないように、映像の管理もきちんと行う必要があります。
そして「防犯カメラ作動中」などの張り紙も、必ず周りに見えるところに貼っておきましょう。しっかりと手順を踏んだあとは、周囲の私生活が映らないよう最善の注意をはらいながら、防犯カメラを設置していってください。
防犯カメラに関するガイドラインをよく読んで勉強しておく
防犯カメラを設置する前に、防犯カメラに関するガイドラインをよく読んで勉強する必要があります。ガイドラインとは、定められた基準ルールを守るように作られたもの。つまりこのガイドラインを守らなければ、法律違反になることも考えられるのです。
防犯カメラに関するガイドラインの内容は、経済産業省が公表している「カメラ画像利活用ガイドブック」や、各地域のガイドラインにも記されています。ガイドラインは各地域によって定められているものは違います。しかし共通して記されていることは、「防犯カメラによる撮影が個人情報保護法に違反していないか」といった部分です。勝手に周囲の私生活を撮影するのはもちろんのこと、防犯カメラに映っているものを許可なく第三者に見せたり知らせたりすることも、個人情報保護法違反に当てはまります。
違反になるかならないかを詳しく知りたい場合は、経済産業省が公表している「カメラ画像利活用ガイドブック」や、各地域のガイドラインを必ず読んでおきましょう。
各地域の自治体によって、防犯カメラの設置に補助金が出るところもある
各地域の自治体では支援のひとつとして、防犯カメラの設置に一部補助金を出してくれるところもありますので、「防犯カメラを設置したいけど、お金がかかる」という人は、実際に調べてみるのをおすすめします。
支援してくれる理由は、地域の防犯意識をより高めるため。そして、人々が安全に暮らせるようなまちづくりをするためです。これらの目的があるからこそ、防犯カメラの設置に国や各自治体から補助金を出してくれるのです。防犯カメラには、犯罪を未然に抑止できる効果があります。そのためさらに人々が生活しやすくなるように国や自治体から補助金を出し、防犯対策をより強固なものにするのが目的であるといえるのです。
補助金の例として、防犯カメラの本体費用・工事費・防犯設備(防犯ベルや防犯灯、他多数)・維持費用などがあります。すべての人に補助金が出るというわけではなく、指定している条件や対象者に当てはまっている人に、補助金を出してくれるという場合がほとんどです。また大抵の自治体では、金額に上限が定められています。商店街・町内会など地域団体の他に、個人で防犯カメラを設置したい人にも補助金を出してくれる自治体もあります。
防犯カメラの相場は本体だけで、およそ10~30万ほど。業者に頼んで防犯カメラを設置するとなると、最低でも4~5万はかかります。また防犯カメラを管理・維持するのに、電気代・ネット代・日々のメンテナンス・レンタル料など、ランニングコストがかかってきます。一部だけでも補助金が出れば設置する負担も少なくなるので、知って損することはないといえますね。
補助金に関する注意点
補助金対象に当てはまると、書類の手続き・設置場所の写真・見積り書などが必要になることがあります。手続きに漏れや不備があると、補助金対象から外されることもあるので注意が必要です。
また申請や受付には時期・期間が設けられており、それぞれ各地域で確認が要ります。他にも、設置するのに警察署へ場所の相談が必要になったり、防犯カメラを取り付ける前ではなく後払いで補助金が出たりするところも。後払いになると、設置前の支払いは自己負担になります。
流れとしては、補助金申請し防犯カメラを設置した後、各自治体に報告するといった形になるでしょう。これらは地域によってそれぞれ条件が違います。防犯カメラの設置を検討している方は、必ず各自治体に電話で問い合わせるかHPをチェックしておきましょう。
もうひとつ大事なことは補助金をもらえた後に、途中で撮影を止めたり防犯カメラを外したりなど不適切だと思われる使い方をすると、自治体から「補助金分を返済してください」と求められるケースがあることです。補助金はもらえたからといって、自由に使えるというわけではありません。防犯カメラ設置のためにもらえるお金になるので、維持や管理に手抜きするような使い方をするのはNGです。補助金を申請する場合は、そのことを肝に銘じて防犯カメラを使用していきましょう。
法律や補助金のことを知っておけば、いざというとき役に立つ!
知識がまったくないまま防犯カメラを設置してしまうと、いつかトラブルに巻き込まれ困ってしまうような事態に陥るかもしれません。しかし反対にいえば、節度ある行動をしていれば問題にはならないのです。法律違反にならないためにも、事前に防犯カメラに関する知識は養っておきましょう。防犯カメラの設置を支援してほしい人は、各地域の自治体で補助金が出るかどうかチェックしてみてください。